大切なお誕生日♪

12月2日はジェラート・ベネにとっても大切な日であります。
本来ならマダム教子のあとを継ぐはずだった人。
13代目 亀屋嘉右衛門の弟のお誕生日です。

写真は、今日のバースデーケーキ。
マダムの手作りです。
とっても美味しいですよ。
心のこもった優しい味わいです。

おめでたい日なのですが少し重たい話題でもありますので、楽しい雰囲気の方はすみませんが失礼いたします。

マダムや私(亀屋嘉右衛門)、そして私の父をはじめ、アルバイトさんなどのお誕生日には必ず手作りのケーキを作ってお祝いします。
そして私達は会社のすべての人のお誕生日だけでなく、亡くなった方のお誕生日もお祝いしています。
その人の好きだった料理を作り、ケーキを作り、鯛を焼いて、そしてその人の思い出を毎年毎年、思い出すのです。

私達は亡くなった人の思い出を伝えることが、その人が生きた証を伝えることだと、とても大切なことだと思っています。
だから、「亡くなった人が浮かばれない」という考え方ではなく、現実を受け止め生きてゆく中でその人が生きた証を忘れないために、伝えるために毎年お祝いします。

美味しいお料理にちょっとお酒も入って、美味しいケーキもあってしあわせな時間。
身内である私たちが伝えなくては誰も覚えていません。

核家族化が進み法事や親戚の縁が薄れてゆく中で、私達のルーツの記憶も多くが失われてきました。
私達のジェラートを製造する技術や手彫りデザインを施す技術と同じ、「伝える意思がなければ消えてなくなってゆくもの」だと思います。

「いいものは受け継がれる」という言葉を聞いたことがありますが、素晴らしいヴァイオリンの製法も失われてしまっています。
受け継ぎ、伝えると言う意思がない限り、それは埋もれ、消えてゆく。

あなたはおじいさんやおばあさんがどんな風に生きていたか、聞いていますか?
ひいおい爺さんやひいおばあさんはどんな人か、何をしていたのか知っていますか?

私は私のルーツを伝えたい。
受け継がれてきたものは、私一人の物ではないのだから。

私の弟のお誕生日、ハッピーバースデー♪