創作意欲の狭間で・・・

2019年12月11日

13代目 亀屋嘉右衛門です。
いつもこのページをご覧になってくださって、本当にありがとうございます。
例年12月も押し迫ってきますと、何やらあわただしい日々が続きますがいかがお過ごしでしょうか?

一年がかりで企画、試作を続けてきた「懐石ドルチェ」の開発も終わり、ひたすら仕込みに追われるこの頃は創作意欲がほぼありません。
しかも、今回完成した「懐石ドルチェ2020」はマダムにはあまり高い評価をいただけませんでした。

マダムの目指すところは「すっきりとエレガント」。
でも、今年のテーマは「かわいすぎて食べられない!」。
普段のジェラート・ベネではあまり手がけない、「かわいい路線」に振り切る形でした。
おかげさまでモニターのお客様の評判もよく、予約も早々にいただいておりましたので何とか一安心してはいたのです。
しかし、マダムはあまりお気に召さないようで、ことあるごとにプチプチと御指摘をいただいていました。

なので、今は創作意欲が激減し、新しいデザインを考える気力が・・・と思っていたのです。

しかし!
感性を磨くにはいいものを見て、いいものを味わい、いいものに触れることだ。
と昔から言われています。

そう、いいものを見つけてしまったのです。
このサイトに切り替えてから、<ピンタレスト>というアプリを試しています。
自分の好きな画像をピンでボードに留めるかのように、ネット上の画像を集めることができるんです。
私は和菓子も好きなので、和菓子の画像も集めていました。

すると、「三堀 純一」さんという和菓子職人さんの上生菓子の画像があったのです。
あ~~~~すごいキレイ!
ずっと眺めていたいくらい、すごく美しい、色気のある上生菓子。

その時、私の頭に浮かんだ言葉は・・・。
「僕もこんなのを作ってみたい!」

それからもう、ジェラートでどう表現すればいいのかを寝る間も惜しんで考えました。
上生菓子で使用する練りきりとは違い、ジェラートは温度管理がとても重要です。
マイナスの世界で凍える指先。
今までになく繊細で、今までになく色気のあるジェラートを作りたい!

まずは行動です。
そして本日、忙しい時間の隙間で一つだけ練習してみました。

あ~ダメです。
課題として
○ジェラートのグラデーション
○花びらの色っぽさ
○風にそよいでいるような表現が出せていない
○細かい部分が雑。

ピンセットでは表現しきれない細やかさ。
やはり、「和菓子の細工鋏」が欲しい!
もっともっと、勉強しなくては・・・。

これからしばらくは、手彫り工芸の技術を磨きます。
ぜひ、お店で実物を食べてみてくださいね!